Japanische Klassiker mit Furigana
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せいねんのしさくのために
青年の思索のために
下村 湖人
Lesen Sie 青年の思索のために (せいねんのしさくのために) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 102.550 Zeichen · 203 Bildschirme
そして、資金を得るために、しばしば炭鉱稼ぎに出たりした。こうして、三年の後、昭和七年に、とうとう自信のある考案が出来上った。
ところで、さていよいよ実物を作る段になって、早速困ったのがまた金である。本物を作るには、どうしても四、五十円はかかる。誰か村の中で、これを裾付けて、試してくれる者はないかと、方々に当って見たが、誰一人ふり向いて見る者もない。父に話したところで、また大きな眼玉を喰うぐらいが、関の山である。
ところが、この事を聞いて、乗り出して来たのが、同君の竹馬の友で、毎日のように蛸船に乗っている河野青年であった。
「よし、俺が一つためしに据付けて見よう。前田君の三年間の苦心を、友達として黙って見ていられるか。かりに最初はうまく行かないにしても、前田君のあの熱心さなら、きっとそれを改良して、最後には、立派なものに仕上げてくれるに違いない。」
そう思って、河野君は、どうして工面したものか、四十何円かの金を、前田君の前に投げ出して、その製作を依頼した。
こうして、いよいよ実物が出来上ったのが、昭和八年の四月であった。
早速船に据付けて、実際にためして見ると、これはまた、何という便利な機械だろう。