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Japanische Klassiker mit Furigana

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せいねんのしさくのために

青年の思索のために

下村 湖人

Lesen Sie 青年の思索のために (せいねんのしさくのために) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 102.550 Zeichen · 203 Bildschirme

Aozora Bunko

それは主として継母との間がうまく行かなかったからでした。継母にいわせると、「自分は心から愛してやりたいと思っているが、ちっともよりついて来ない。」というし、北野少年にいわせると、「母さんはいつも自分をうたぐってばかりいるので、うっかり口もきけない。」という。こんなふうで、二人の間は、いよいよ悪化する一方だったのです。

ある日のこと、北野少年は学校から帰って来ると、人目をはばかるようにして二階にあがって行きました。そしてそこにすえてあったたんすの引出しに手をかけようとしていますと、階段に継母の足音がきこえました。北野少年は、その音をきくと、なぜか大あわてで窓からひさしの方にとび出しました。そして、ひさしをつたって逃げているうちに、どうしたはずみか、足をふみはずして、庭に地ひびきを立ててころげ落ちたのです。

窓から顔を出して眼を光らしていた継母も、それにはさすがにびっくりしたらしく、ころがるように階段をおり、はだしのまま庭にとび出しました。そして北野少年を抱きかかえると、そのまま一目散に医者の家にかけつけました。中学三年の少年ですから、ずいぶん重かったことと思いますが、継母はまるで夢中だったのです。