Japanische Klassiker mit Furigana
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せいねんのしさくのために
青年の思索のために
下村 湖人
Lesen Sie 青年の思索のために (せいねんのしさくのために) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 102.550 Zeichen · 203 Bildschirme
そのいずれもが出来ないとすれば、林檎が吹きおとされるのが当然で、その林檎が、まだ十分には天意にかなっていないからだ。天意にかなった林檎なら、かならず梢にのこる。現にどんなにひどい颱風にも吹きおとされない林檎が、かならずいくつかはあるではないか。――」
「なるほど。」
「そこまで考えて来ますと、吹きおとされた林檎はもともと自分のものではない。これは天の特別のお恵みだ、と、そう考えるようになって来たのです。さて、そうなりますと、私は天をうらむどころか、敬虔な気持になって天に感謝しないではいられなくなりました。で、それ以来、私は、吹きおとされた林檎をジャム工場に売った金だけは、特別預金にして、私用には使わないことにしているのです。」
青野君はそういって特別預金帳とその出納表とを私に見せてくれました。支出は、なるほど、社会的、公共的のものばかりでした。
青野君は語をついでいいました。
「支出したのは、まだほんの一部です。あとはなるべく積立てておいて、将来何かまとまったことに使いたいと思っています。今考えていることの一つは、この林檎園のすみっこに、青年の家というような小さな小屋でも建てて、そこに聖賢の書や、歴史や、農民に必要な参考書などをそなえておき、心ある青年におりおり集ってもらって、お互いに生きる道を真剣に考えてみ