Japanische Klassiker mit Furigana
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まぐろにいわし
鮪に鰯
山之口 貘
Lesen Sie 鮪に鰯 (まぐろにいわし) von 山之口 貘 (やまのくちばく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 26.107 Zeichen · 54 Bildschirme
應召
チェロ
曲り角
こんな夜更けに
誰が来て
のっくするのかと思ったが
これはいかにも
この世の姿
すっかりかあきい色になりすまして
すぐに立たねばならぬという
すぐに立たねばならぬという
この世の姿の
かあきい色である
おもえばそれはあたふたと
いつもの衣を脱ぎ棄てたか
あの世みたいににおっていた
お寺の人とは
見えないよ
チェロ
むかしに戻って会いに来たように渕上君の手紙が舞い込んで来た。十年前に僕のきいたところでは、未来のチェロ彈きだった彼なのだが、詩集の序文を書けと来た。序文の素人は面喰ったが、くされ縁だから書けという。
十年前の
未来のチェロ彈きよ
チェロは彈かずに
うたったか
きけばずいぶん
ずいぶんながいこと
チェロを忘れて仰臥ているとか
チェロの脊中もまたつらかろう
十年前の
あのチェロ彈きよ
チェロは鳴らずに
詩が鳴った
曲り角
産めよ
殖やせよの時勢にふさわしく
国策に副うたと女房は言う
たべものなどにしてみても
好きなわさびを当分はたべないと言い
小魚なんぞは骨ごとたべてしまう
女房の言うこと
為すことには
私的な味がなくなって
おなかばかりが目立ってきた
あるとき
僕はながめていた
桜の木のある曲り角から
おおきなおなかが現われた