Japanische Klassiker mit Furigana
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あさひのよろい
あさひの鎧
国枝 史郎
Lesen Sie あさひの鎧 (あさひのよろい) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 239.520 Zeichen · 475 Bildschirme
「狂気したとは武士として不覚な。……それにいたしても狂気のわしを、祈祷で本復させてくれたという、山伏殿こそわれには仏、とどめてご接待いたさぬばならぬ」
戸野兵衛はそう云って、髪を撫でつけ衣裳を着かえ、山伏たちのいる部屋へ行った。
「これはご主人、本復されたそうじゃの」
と、それと見て声をかけたのは、赤松坊こと赤松則祐で、
「正気に返られて何より結構。……今後はあまり気苦労せぬよう」
と、いたわるように云ったのは、村上坊こと彦四郎義光であった。
「おかげをもちまして戸野兵衛、いつまでも生き恥じさらすことなく、真人間に返ること出来ました。何んとお礼を申してよいやら」
と、兵衛はいかにも嬉しそうに云った。
「そのお礼なら、われらにではなくて、先達殿に申すがよかろう」
こう云ったのは光林房であった。
兵衛は云われて恭しく辞儀をし、
「お見受けいたせばまだお若く、少年と申してもよろしいほどでござるに、ご修行の力こそ恐ろしく、ようお治しくだされました。……それにいかにもお顔なりお姿なり、清く尊げに見えますことは……や、空言はさて置いて、これほどの恩こうむりました我が身、ご恩返さねばなりませぬ。