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Japanische Klassiker mit Furigana

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あさひのよろい

あさひの鎧

国枝 史郎

Lesen Sie あさひの鎧 (あさひのよろい) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 239.520 Zeichen · 475 Bildschirme

Aozora Bunko

……が、何の利益があろう! ……武家が武力で取った権じゃ、宮方がそれを取り返そうとなら、やはり武力で取り返さねばならぬ。……坊主、山伏の修法なんどで、何んの政権がとられようぞ! ……しかるに当今日本の武士、ほとんどことごとくが武家方に属し、わずかに宮方に属するもの、そちたち一族の土岐と多治見、これでは大事とげられまいがな。……六波羅殿へ返り忠し、宮方の陰謀内通なされ! 身の安穏たもたれるばかりか、恩賞かならずありましょうぞ! ……いとしいそなたの奥方の、早瀬殿の心持ちにも同情せねばなりますまい! 早瀬殿のお父上は、六波羅の奉行でござりまするぞ!」

云い云い頭上の柄長の御幣を、姥は揉み立て揉み立てした。

暁の風に姥の裳裾も、袖も白髪も靡き翻り、波が砕けて作られた水泡が、涌き立ち踊り騒ぎ立つように見えた。

「妻! ……早瀬! ……おおおお妻よ! ……お前を思えば、お前を思えば! ……」

限りなく愛している妻であった。

この妻のことを思えばこそ、大義も士道も捨てようかと、心を惑わしているほどであった。

その妻のことを云われたのである。頼春は心をとり乱した。