Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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いーはとーぼのうがっこうのはる

イーハトーボ農学校の春

宮沢 賢治

Lesen Sie イーハトーボ農学校の春 (いーはとーぼのうがっこうのはる) von Miyazawa Kenji (宮沢 賢治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 57.726 Zeichen · 120 Bildschirme

Aozora Bunko

叱られるといけないからもう帰ろうか。」私が云いましたら慶次郎は少し怒って答えました。

「構うもんか、入ろう、入ろう。ここは天子さんのとこでそんな警部や何かのとこじゃないんだい。ずうっと奥へ行こうよ。」

私もにわかに面白くなりました。

「おい、東北長官というものを見たいな。どんな顔だろう。」

「鬚もめがねもあるのさ。先頃来た大臣だってそうだ。」

「どこかにかくれて見てようか。」

「見てよう。寺林のとこはどうだい。」

寺林というのは今は練兵場の北のはじになっていますが野原の中でいちばん奇麗な所でした。はんのきの林がぐるっと輪になっていて中にはみじかいやわらかな草がいちめん生えてまるで一つの公園地のようでした。

私どもはそのはんのきの中にかくれていようと思ったのです。

「そうしよう。早く行かないと見つかるぜ。」

「さあ走ってこう。」

私どもはそこでまるで一目散にその野原の一本みちを走りました。あんまり苦しくて息がつけなくなるととまって空を向いてあるきまたうしろを見てはかけ出し、走って走ってとうとう寺林についたのです。そこでみちからはなれてはんのきの中にかくれました。