Japanische Klassiker mit Furigana
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スウィスにっき
スウィス日記
辻村 伊助
Lesen Sie スウィス日記 (スウィスにっき) von 辻村 伊助 (つじむらいすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 216.275 Zeichen · 410 Bildschirme
、サン・ジオヴァンニの知人を訪ねに行って、夕方まで遊んで来た。ヴィルラ・トロッティは閉っていたが、土地の人達の案内で正門をあけてもらって、入ることが出来た。花盛りの石楠木や薄紅に咲きはじめたアゼレヤの間には、月桂やリヴィストナが茂って、泰山木の柔革のような裏葉が、緑の樺に混っているのもうつりがいい。私達は石階の獅子像の側に腰かけて、持って来てくれたサン・ジオヴァンニを飲んだ。
湖の空は、いつの間にかあやしく曇って、西北の風に、椰子の広葉が鳴りはじめると思うと、まもなく大粒な雨が、まっしろな水路をつけて、暗い湖水を渡って来た、が、このサン・ジオヴァンニの方へは寄らないで、レノンの沖を、雨雲は、西南へ流れて行った。波は黒く岸にうちつけて、日はとっぷりと暮れかかる、みんなに別れて宿に帰ると、ヴァレンナの灯火がちらちら光って、湖水の波音は、高く室に響いて来た。風はなかなか止みそうもない。
昨宵の雨はとうに上って、窓からは、からりと晴れ渡ったみずうみの北に、雪の山々は仰がれる。花園には七葉樹の若葉が、眼がさめるよう、紫にからんだパリサイドの藤の蔭には、石楠木が臙脂のように燃えて、牡丹や木蓮が咲き乱れた、コモの春は今が盛りであろう。