Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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スウィスにっき

スウィス日記

辻村 伊助

Lesen Sie スウィス日記 (スウィスにっき) von 辻村 伊助 (つじむらいすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 216.275 Zeichen · 410 Bildschirme

Aozora Bunko

九月に入ると、待ちかまえたように、風も野も、空も湖水も秋だって、朝ごとに枕にひびく鐘の音まで、木枯の近いうら寥しさに慄えて居る、そして、ニーセンの頂に湧くとすれば、幾団のちぎれ雲は軽やかに羽をのして、湖水の上を、西北に去る、限りなく雲の消えゆく丘のうしろは、幾重の森と小山にかこまれたトイフェンタール、雲の湧く南の空は、タトリスの峰つづきであろう。ニーセンの西は、シンメンタールの落ち口から、山は一文字に屏風を建てつらねて、シュトックホルンの尖峰が、雪は消え失せた鋭い輪廓を、蒼空に刻んでいる。

「●ヒルテルフィンゲンよりニーセンを望む」のキャプション付きの写真

●ヒルテルフィンゲンよりニーセンを望む

朝は、いつも四時前に床をぬけ出して、入江につないだ艫づなを解くと、私は一人小舟を浮かべて、水うみのまん中に漕ぎ出した、オーベルホーフェンの村は、水にのぞむ城の白塔から仄白く明けて、岸は薄もやだつ青葉の、むらむらと重り合う丘のふもとに眠って、空も水も夢のようにおだやかである。私はいつも口笛をふきながら、櫂をあやつって、あるときは遠くシュピーツベルクの近くまでも、また次の日は、アーレの流れの落ち口にある、シェッツリゲンのそばまで行った、こうして静かな朝靄が、いつとなく晴れわたると、東の極に朝日を浴びて、彼のグロース・シュレックホルン