Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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スウィスにっき

スウィス日記

辻村 伊助

Lesen Sie スウィス日記 (スウィスにっき) von 辻村 伊助 (つじむらいすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 216.275 Zeichen · 410 Bildschirme

Aozora Bunko

トンネルを出ると、アイガー・グレッチェルで、雪の上には一昨日見た北極犬が、真赤な舌をべろりと出して、珍らしそうに電車を見送っていた。

私は初め、クライネ・シャイデックからグリンデルワルトへ行くつもりであったが、電車は冬の間運転しないので、このままシュトイリに再会を約して、駅長さんからあずけて置いた荷物を受け取って、同じ線路をインテルラーケンにむかうことにした。大分永くなりましたね、ははあ貴下ですかいメョンヒに御登りは、と駅長殿もチョコレート・ソルディアーに聞いたに相違ない。ウェンゲルンアルプを廻ると、もう片陰になって、雪の中ながら暗い黒木の森の上に、入日を斜めにうけた三山をなつかしく見かえりがちに、ウェンゲン、ラウテルブルンネン、そしてツワイルュチーネのもう灯の入った村々を、ピツェアの森の間に見送って、淡い靄のたちこめたインテルラーケンの町はずれ、オスト・バーンノーフから雪車につけたシュネー・ロルレンを聞きながら、夢見るように、人もない大通りを走って、ベルネルホーフに着いたのである。冬とは云え山登りに汗ばんだ身体を浴場に横たえて、眼をとじてぼんやりと考えていた。