Japanische Klassiker mit Furigana
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ごべんのつばき
五瓣の椿
山本 周五郎
Lesen Sie 五瓣の椿 (ごべんのつばき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 149.721 Zeichen · 296 Bildschirme
「しぶてえ野郎だな」とばかに太い声の男が云った、「なんでも指の先か小銭で片がつくと思ってやがる、この野郎、本当に片輪者にでもしてくれざあならねえかもしれねえぜ」
「それならおいらの役だ」とべつの男が云った、「どっちをやる、手か、足か」
「待ってくれ」と得石は片手をあげた、「そんな乱暴なことはやめて、私にわかるように話してくれ、いったいどういうわけでこんなことをするのか、私がどうすればいいのか、それを聞かせてくれ」
「自分で思い当らねえのか」太い声の男がそう云って、さも汚ならしそうに睡を吐いた、「浮気な女房や後家さんに、けがらわしい治療をして高い薬料を取り、その金で料理茶屋を始め、豊島屋を始め、おまけに高利の日済し貸しまでやって、貧乏人の血を吸い取りゃあがる、この界隈の長屋だけでも、うぬのために泣いている者が何十人いるかしれねえ、いいか、それも日済し貸しが本業なら、憎まれるのを看板でやってるんだからまだいい、てめえは仮にも医者だぞ」男はそこで赤くなった、「どんな汚ならしい治療をするにもせよ業態からいえば医者だ、そいつが自分は蔭に隠れて、高利の日済しで貧乏人の血肉をごっそり絞ってやがる、そんなちくしょうがお膝元でうろうろするのを、こちとらあ黙って見ちゃあいられねえんだ」