Japanische Klassiker mit Furigana
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ごべんのつばき
五瓣の椿
山本 周五郎
Lesen Sie 五瓣の椿 (ごべんのつばき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 149.721 Zeichen · 296 Bildschirme
「うぬのような人でなしはな」とべつの男が云った、「いっそ叩っ殺して大川へでも放りこみてえところだ、だがそうすりゃあこっちも兇状持ちになるから、このさきうろうろできねえように片輪にして、それで勘弁してやろうというわけだ、これで文句はねえだろう」
「わかりました、よくわかりました」得石は爪で顔の泥を落しながら、神妙に頭をさげて云った、「そういうことならおまえさんたちの云うようにしよう、金で済むことなら金を出そうし、日済し貸しをやめろなら今日にでもやめよう、云うとおりにするからどうか乱暴なことだけはしないでくれ」
「金で済むならだと」太い声の男が喉いっぱいに喚いた、「まだそんなよめえ言をぬかしゃあがるのか、野郎」
「やっちまえ」とべつの男が叫んだ。
得石は「誰か来てくれ」と叫んだ。三人の男は代る代る足蹴にし、人殺しだ、と得石は悲鳴をあげた。その声を聞きつけたのだろう、走り寄って来る人のけはいに続いて、なんだ、どうしたんだ、乱暴はよせ、などと云う五、六人の声が聞えた。
「助けて下さい」と得石は叫んだ、「私はなにもしないのにこの人たちは」
だが、口の中の泥が喉へはいり、彼は横倒しになったまま、身をちぢめて咳こんだ。