Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ごべんのつばき
五瓣の椿
山本 周五郎
Lesen Sie 五瓣の椿 (ごべんのつばき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 149.721 Zeichen · 296 Bildschirme
「自分はうちが近いから帰るが、この人はわる酔いをしているし、あのとおりよく眠っているから、朝までそっと寝かしておいてくれ、と仰しゃいました」と女中は云った、「それから、お二人の勘定と多分なこころづけを頂きましたし、べつにおかしいようなふうもみえませんでしたので」
男が殺されているのをみつけたのは、午前十時すぎだと云った。
聞いているうちに、同心と書役が来たので、千之助は二階へあがっていった。現場は端にある八帖で、井田十兵衛が退屈そうに莨をふかしていた。――座敷のまん中に夜具が延べられ、頭のほうを枕屏風で囲ってある。死躰は香屋の清一で、掛け夜具が捲ってあり、はだかった胸の、左の乳の下に、平打の銀の釵が突き刺さっていた。
千之助はぞっとそうけ立った。
黄色みを帯びた蝋のような肌へ、深く、まっすぐに突き刺さっている銀の釵が、怨念と呪いの声をあげているように思えたのである。彼は眼をそらして枕許を見た。そこには血を落したかのように、椿の赤い花片が一枚、なにかを暗示するものの如く置かれてあった。
「こんな物がありました」と井田十兵衛が云った、「枕の下に覗いていたので、取り出してみたんですが」