Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ごべんのつばき
五瓣の椿
山本 周五郎
Lesen Sie 五瓣の椿 (ごべんのつばき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 149.721 Zeichen · 296 Bildschirme
それは巻いて折った手紙で、表に「青木さま」と書いてあった。自分の姓だからちょっとおどろき、彼は跼んだ恰好のままそれを披いた。読んでみると正しく彼に宛てたもので、次のようなことが書いてあった。
――先夜おめにかかった倫でございます、その節はあなたさまをお騙し申し、こんどまたお手数をかけます、さぞ憎い女とおぼしめすことでしょうが、これには深い仔細がございますし、また、わたくしに運がありましたら、あと二度だけお手数をかけることになると思います、それが済みましたら、あなたさまのところへ自首しにまいり、仔細をお話し申すつもりでございますが、いま一と言だけ申上げます、それは……この世には御定法では罰することのできない罪がある、ということでございます。倫。
千之助は唇をひき緊めた。
――法で罰することのできない罪。
彼はその一句を、ながいこと、息をひそめて見まもった。
「あと二人、――」と彼は独り言のように呟いた、「それを止める法はないか、……いったいこの男たちはなにをしたのだ、椿の花片はどういう意味だ」
井田十兵衛がきせるをはたき、その音で千之助はわれに返った。