Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠1
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠1 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.314 Zeichen · 398 Bildschirme
五
お松の病気も大分よくなりました。よくなったとは言うものの、半月あまりも寝たことですから、その間の与八の骨折りというものは大したものでありました。
伯母のお滝は例の如く空お世辞を言っては金を借りて行き、その金を亭主の小遣銭にやったり自分らの口へ奢ったりしてしまったので、お松の病気の癒った時分には、持っていた金はほとんど借りられてしまったのです。
お松は蒲団の上へ起き上って乱れ髪を掻きあげていますと、お滝がまたやって来て、
「お前、ようやく癒ってよかったねえ」
「はい、おかげさまで」
「これというのも、わたしが湯島の天神様へ願がけをして上げたのと、それから道庵先生のおかげだよ」
「はい」
「それから今日はお前、天神様の御縁日だからお礼詣りに上らなくては済みませんよ」
「はい」
「近い所だけれども、まだ無理をするといけないから駕籠をそいって上げるよ」
「いいえ駕籠には及びません、歩いて参りませぬと信心になりますまいから」
「そんなことがあるものかね、歩いて行こうと駕籠で行こうと信心ごころさえ確かならねえ……それはそうとお前」
お滝の言葉が改まる時は、そのあとに来るのはいつも金のことですからお松はヒヤリとすると、案の定、