Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠1

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠1 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.314 Zeichen · 398 Bildschirme

Aozora Bunko

闇とは言いながら、もう夜明けに間もない時ですから東の空は白み渡っていました。神明から浜松町へかけての通り、お浜の駈けて行く後ろ影。

増上寺三門の松林の前まで追いかけて、

「待て!」

お浜の襟髪は竜之助の手に押えられて、同時にそこに引き倒されたのであります。

「放して下さい」

「浜、おのれは兵馬に裏切りをしたな」

「早く殺して下さい――」

殺したところで功名にも手柄にもならぬ。のぼりつめた時にも冷静になり得る竜之助、お浜の取乱した姿を睨んでいる。

「竜之助様、わたしを殺して、どうぞお前も殺されて下さい」

面と面とを合せれば、いくらか白み渡った空ですから、見てとることもできる通り、お浜はもう放せの助けろのと騒ぐ峠は越して、言葉にも相当の条理がある。

「わたしもお前様におとなしく殺されて上げますから、お前様もどうぞ素直に兵馬の手にかかって殺されて下さい、そうすれば、あれもこれも帳消し……罪ほろぼしとやらになりましょうから。ねえ、竜之助様」

御成門外で人の足音、増上寺の鐘。

「人殺し――」

竜之助はついにお浜を殺してしまいました。

十一

「あの声は――」