Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠1
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠1 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.314 Zeichen · 398 Bildschirme
「四谷の神尾様というのは、あの伝馬町の神尾主膳様のことでございますか」
「そうです。その神尾様、三千石のお旗本なんだから、首尾よく御奉公して殿様のお気に入ればどんなに出世するかわからないのに、人もあろうに風呂番をしていた与太郎という馬鹿と駈落するなんて、わたしも呆れ返ってしまった、あんな世話甲斐のない子というはありやしない」
「それほど馬鹿な女とは思いませんでしたが、いったい、どっちの方へ逃げましたか、手がかりはございませんか」
「いっこう知れません、いろいろ手配をして探してみましたけれども、どうしてもわかりません。お前さんの方へも飛脚を立ててみようとしましたけれども、殿様がおっしゃるには、そんな腐った奴を騒ぎ立てて探すには及ばないと、それなりにしてありますが、わたしの身になると、殿様には面目がないし、自分では腹が立つし……」
「そういうわけならば、ひとつ私も探してみましょう。あのお松とても生来が、それほど馬鹿ではなかったはずですから、尋ね出して聞いてみたら何か事情があるかも知れません」
十三
七兵衛が最初この家へ入った時から見え隠れについて来て、今まで路地内や表通りをうろうろしていた一人の紙屑買いが、いま七兵衛が出かけると、またそのあとをついて行きます。