Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠1

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠1 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.314 Zeichen · 398 Bildschirme

Aozora Bunko

「まあ、金蔵さん――待って下さい、待って下さい、金蔵さん」

お豊は今となっては、金蔵の手を抑えて、

「金蔵さん、お前は、わたしの命を取っただけでは堪忍ができないかい、そんな大それたことをホントになさる気かい」

「するとも――あの薬屋の源太郎めは、わしの親から、お前さんを貰いたいと頼んだのに、てんから謝絶ってしまいやがった。あの丹後守は、お前を隠して、わしに会わせなかった。この二人は深い怨みだから、わしは、ここでお前を殺しておいて、その怨みを晴らすのだ、刷毛ついでにあの三輪の杉へ火をかけて、丸焼きにしてくれる」

「ああ、どうしましょう、金蔵さん、それだけはよして下さい、わたしをここで存分に斬るとも突くともして、それでほかの怨みは帳消しにして下さい」

「そうはいきませんよ、わしの親たちが、先祖からのこの三輪の土地にいられなくなったのは誰のおかげだい――わしはもう、あの三輪というところを焼き亡ぼしてしまって、そうしてその火の中で焼け死ぬのだよ」

「金蔵さん、なぜ、お前はそんな怖ろしいことをします」

「そんな怖ろしい心にしたのは、誰だい、お豊さん」

「金蔵さん、そんな無理なことを言わないで……」