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Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠1

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠1 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.314 Zeichen · 398 Bildschirme

Aozora Bunko

そこへ何か知らん、寄せ来る波で岸へ打ち上げられたように飛び出して来た小動物があります。

妙見の社の上にかぶさった栗の大木の上にかたまって、武士の方を見つめては時々白い歯を剥いてキャッキャッと啼く。その数、十匹ほど、ここの名物の猿であります。

柳沢峠が開けてから後の大菩薩峠というものは、全く廃道同様になってしまいましたけれど、今日でも通れば通れないことはないのです。そこを通って猿に出くわすことは珍らしいことではないが、それを珍らしがって悪戯でもしかけようものなら、かえって飛んだ仕返しを食うことがあります。人の弱味を見るに上手なこの群集動物は、相手を見くびると脅迫する、敵わない時は味方を呼ぶ、味方はこの山々谷々から呼応して来るのですから、初めて通る人は全くおどかされてしまいます。が、旅に慣れた人は、その虚勢を知って自らそれに処するの道があるのであります。

右の武士は、慣れた人と見えて、一目猿を睨みつけると、猿は怖れをなして、なお高い所から、しきりに擬勢を示すのを、取合わず峠の前後を見廻して人待ち顔です。

さりとて容易に人の来るべき路ではないのに、誰を待つのであろう、こうして小半時もたつと、木の葉の繁みを洩れて、かすかに人の声がします。