Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠1

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠1 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.314 Zeichen · 398 Bildschirme

Aozora Bunko

「幾度お取次してもお聞きなさる通りでございます、これはホンの草鞋銭の印で、これを持ってお帰り下さい」

紙包を七兵衛の前へ突き出すと、七兵衛はグッと癇癪にこたえたのを、だまって抑えつけて紙包を見詰めたままでいると、お松は横を向いて口惜しさに震えます。このときちょうど、「いらっしゃい、お掛けなさい」

小僧たちの雷のような喚きに迎えられて、この店へ入って来たのは切下げ髪に被布の年増、ちょっと見れば大名か旗本の後家のようで、よく見れば町家の出らしい婀娜なところがあって、年は二十八九でありましょうか、手には秋草の束にしたのを持っておりましたが、

「あの、この間の柄をもう一度見せて下さいな」

「これはこれはお師匠様、わざわざお運びで恐れ入ります、昨日織元から新柄が届きまして、ただいま持って上ろうと存じておりましたところで、へえ、この通り」

番頭小僧もろともにペコペコお低頭をして、棚から盛んに反物を担ぎ出して切髪の女の前に塁を築き立てると、

「ついでがあったものだから」

女は鷹揚にその反物を取り上げて、柄を打返して調べはじめますと、

「おい、番頭さん、こりゃ何だい!」