Japanische Klassiker mit Furigana
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たぬきじる
完本 たぬき汁
佐藤 垢石
Lesen Sie 完本 たぬき汁 (たぬきじる) von 佐藤 垢石 (さとうこうせき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 133.158 Zeichen · 273 Bildschirme
わしには、ちゃんと分かっているがに、後生だ、一席きかしておくれんさい』
こんな次第である。が結局、ほんとうに浪花節語りでない者は、何とお神さんが頑張っても無駄である。そこでそのまま、一晩だけ泊めて貰うことになった。
八
三人は広い一間へ通された。ところが驚いた。
その室の天井は、半分腐って剥げている。屋根には、大きな穴があいて星が見える。剥げた天井の下の畳二、三畳は、雨に腐って溶けているのだ。雪もよいの空は、さつま芋を分けて食べた頃から模様が変わって、いまでは降るような星空になっている。だから、夜になってから寒気はきびしい。こんな一間でも、小さな爐が切ってあって、お神さんが釜の下の焚きおとしを十能に山ほど持ってきてくれたけれど、屋根の穴から通う風に冷やされて、さっぱり室は暖かにならないのである。空腹が手伝うから、からだが、がたがたふるえが出る始末だ。
やがて、温かいご飯が炊けてきた。お神さんがサービスに沢庵と生味噌を、小皿に一つ添えてくれたのである。
米櫃の蓋をあけると、玉汗はまず杓子でご飯を二つに分けて、一方を蓋に移した。それには理由があるのだ。