Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
たぬきじる
完本 たぬき汁
佐藤 垢石
Lesen Sie 完本 たぬき汁 (たぬきじる) von 佐藤 垢石 (さとうこうせき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 133.158 Zeichen · 273 Bildschirme
そして、地図の上でみると、どこよりも交通不便な土佐の国を品定めした。夜の急行列車で一気に大阪まで落ちのびた。安治川口から汽船で美しい高知港の牛江へ入ったのは春の陽が和やかに照った眞ひるであった。こし方の長い重荷をすべておろした気持ちで甲板に立った。
高知で職を求めた。けれど保証人のない私は宿屋の帳付けにも、蕎麦屋の出前持ちにもなれなかった。追っ手には、気がつくまいと思ってきた土佐の国では、とうとう私をいれてくれなかったのである。神戸へ引き返した。一週間ばかり桟橋に近い口入れ宿の二階に、ごろごろしていたが、戸籍謄本を要求されて、就職はものにならなかった。夜逃げの身では、故郷から戸籍謄本を取り寄せるなど、思いも寄らなかったのである。口入れ屋の二階では、豆腐の糟に、臭い沢庵を幾日も食わせられた。
友人が大坂城の四師団に法務官をやっているのを思い出した。これを訪ねて、おずおずしながらほんの少しばかり金を借りた。その金で天満橋のそばの飯屋へ入って心ゆくばかり飯とお菜を食った。余った金で行けるところまで行こう、と思った。京阪電車の駅の賃金表を見ると、男山八幡まで切符が買えた。