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Japanische Klassiker mit Furigana

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たぬきじる

完本 たぬき汁

佐藤 垢石

Lesen Sie 完本 たぬき汁 (たぬきじる) von 佐藤 垢石 (さとうこうせき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 133.158 Zeichen · 273 Bildschirme

Aozora Bunko

けれど、私は何食わぬ顔を、漸く装い作って、

『ご飯たべるところ、どこにいたしましょうか』

こう、問いかけた。すると、森山さんはひどく不満らしい低く刺のある声で、

『きょうは、これでご免蒙ります――大へんご苦労さまでした』

と、言ったなり兄妹二人は、後をも見ないで急ぎ足で、駅のなかの人混みの中へ入って行ってしまった。私は呆気にとられた。ところへ、山岡が小走りに走ってきて、これも甚だ語気鋭く私の顔を仰ぎ見て、

『君、人をからかうのはやめ給え』

六

翌朝、山岡から速達のはがきがきた。

――今後、君と絶交する――

と書いてあるだけであった。私は、私の粗忽を悔いた。ああ止んぬるかなと思った。それから一週間ばかり過ぎると、森山さんから手紙がきた。それには、

――差し上げておいた写真と、戸籍謄本とを至急返送して貰いたい。次に、申すまでのこともないが、今後房州へ釣りにきても私のところへは立ち寄ってくれるな――

と書いてある。

つまらない出来心から、二人の知り合いを失ってしまった。下手な親切気など、起こすものではないと私は思った。

ところが、それから十日ばかり過ぎると、絶交状を突きつけてよこした山岡が、突然私の家へ飛び込んできて、