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Japanische Klassiker mit Furigana

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くろかべ

文豪怪談傑作選 泉鏡花集 黒壁

泉 鏡花

Lesen Sie 文豪怪談傑作選 泉鏡花集 黒壁 (くろかべ) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 72.070 Zeichen · 143 Bildschirme

Aozora Bunko

」

「臆病だね、……鎧は君、可恐いものが出たって、あれを着て向って行けるんだぜ、向って、」

と気勢って肩を突構え。

「こんな、寂しい時の、可恐いものにはね、鎧なんか着たって叶わないや……向って行きゃ、消っ了うんだもの……これから冬の中頃になると、軒の下へ近く来るってさ、あの雪女郎見たいなもんだから、」

「そうかなあ、……雪女郎って真個にあるんだってね。」

「勿論だっさ。」

「雨のびしょびしょ降る時には、油舐坊主だの、とうふ買小僧だのって……あるだろう。」

「ある……」

「可厭だなあ。こんな、霰の降る晩には何にも別にないだろうか。」

「町の中には何にもないとさ。それでも、人の行かない山寺だの、峰の堂だのの、額の絵がね、霰がぱらぱらと降る時、ぱちくり瞬きをするんだって……」

「嘘を吐く……」

とそれでも常さんは瞬きした。からりと廂を鳴らしたのは、樋竹を辷る、落たまりの霰らしい。

「うそなもんか、それは真暗な時……ちょうど今夜見たような時なんだね。それから……雲の底にお月様が真蒼に出ていて、そして、降る事があるだろう……そう云う時は、八田潟の鮒が皆首を出して打たれるって云うんです。