Japanische Klassiker mit Furigana
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くろかべ
文豪怪談傑作選 泉鏡花集 黒壁
泉 鏡花
Lesen Sie 文豪怪談傑作選 泉鏡花集 黒壁 (くろかべ) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 72.070 Zeichen · 143 Bildschirme
自分で、赤鬼の面という……甲羅を引からげたのを、コオトですか、羽織ですか、とに角紫色の袖にぶら下げた形は――三日月、いや、あれは寒い時雨の降ったり留んだりの日暮方だから、蛇の目とか、宵闇の……とか、渾名のつきそうな容子で。しかし、もみじや、山茶花の枝を故と持って、悪く気取って歩行くよりはましだ、と私が思うより、売ってくれた阿媽の……栄螺を拳で割りそうなのが見兼ねましてね、(笊一枚散財さっせい、二銭か、三銭だ、目の粗いのでよかんべい。)……いきなり、人混みと、ぬかるみを、こね分けて、草鞋で飛出して、(さあさあ山媽々が抱いて来てやったぞ)と、其処らの荒物屋からでしょう、目笊を一つ。おどけて頭へも被らず、汚れた襟のはだかった、胸へ、両手で抱いて来ましたのは、形はどうでも、女ごころは優しいものだと思った事です。」
客僧は、言うも、聞くも、奇特と思ったように頷いた。
「値をききました始めから、山媽々が、品は受合うぞの、山媽々が、今朝しらしらあけに、背戸の大釜でうで上げたの、山媽々が、たった今、お前さんたちのような、東京ものだろう、旅の男に、土産にするで三疋売ったなどと、猛烈に饒舌るのです。