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Japanische Klassiker mit Furigana

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くろかべ

文豪怪談傑作選 泉鏡花集 黒壁

泉 鏡花

Lesen Sie 文豪怪談傑作選 泉鏡花集 黒壁 (くろかべ) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 72.070 Zeichen · 143 Bildschirme

Aozora Bunko

……可恐い。それに歩行かせられるのに弱って、駄々をこねますのを(七日まいり、いが餅七つ。)と、すかされるので、(七日まいり、いが餅七つ。)と、唄に唄って、道草に、椎や、団栗で数とりをした覚えがあります。それなんですから。……

ほかほかと時雨の中へ――餅よりは黄菊の香で、兎が粟を搗いたようにおもしろい。あれはうまい、と言いますと、電車を待って雨宿りをしていたのが、傘をざらりと開けて、あの四辻を饅頭屋へ突切ったんです。――家内という奴が、食意地にかけては、娘にまけない難物で、ラジオででも覚えたんでしょう。球も鞠も分らない癖に、ご馳走を取込むせつは相競って、両選手、両選手というんですから。いが餅、饅頭の大づつみを、山媽々の籠の如くに抱いて戻ると、来合わせた電車――これが人の瀬の汐時で、波を揉合っていますのに、晩飯前で腹はすく、寒し……大急ぎで乗ったのです。処が、並んで真中へ立ちました。近くに居ると、頬辺がほてるくらい、つれの持った、いが、饅頭が、ほかりと暖い。暖いどころか、あつつ、と息を吹く次第で。……一方が切符を買うのに、傘は私が預り、娘が餅の手がわりとなる、とどうでしょう。