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Japanische Klassiker mit Furigana

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くろかべ

文豪怪談傑作選 泉鏡花集 黒壁

泉 鏡花

Lesen Sie 文豪怪談傑作選 泉鏡花集 黒壁 (くろかべ) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 72.070 Zeichen · 143 Bildschirme

Aozora Bunko

」

「それも旅の一興。」

と、客僧は、忍辱の手をさしのべて、年下の画工を、撫でるように言ったのである。

「が、しかし、故郷に対して、礼を失したかも知れません。ですから、氏神、本殿の、名剣宮は、氏子の、こんな小僧など、何を刎ねようと、蜻蛉が飛んでるともお心にはお掛けなさいますまい。けれども、境内のお末社には、皆が存じた、大分、悪戯ずきなのがおいでになります。……奥の院の、横手を、川端へ抜けます、あのくらがり坂へ曲る処……」

「はあ、稲荷堂。――」

「すぐ裏が、あいもかわらず、崩れ壁の古い土塀――今度見ました時も、落葉が堆く、樹の茂りに日も暗し、冷い風が吹きました。幅なら二尺、潜り抜け二間ばかりの処ですが、御堂裏と、あの塀の間は、いかなるわんぱくと雖も、もぐる事は措き、抜けも、くぐりも絶対に出来なかった。……思出しても気味の悪い処ですから、耳は、尖り、目は、たてに裂けたり、というのが、じろりと視て、穂坂の矮小僧、些と怯かして遣ろう、でもって、魚市の辻から、ぐるりと引戻されたろうと、……ですね、ひどく怯えなければならない処でした。何しろ、昔から有名な、お化稲荷。