Japanische Klassiker mit Furigana
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しん・へいけものがたり
新・平家物語
吉川 英治
Lesen Sie 新・平家物語 (しん・へいけものがたり) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 123.012 Zeichen · 245 Bildschirme
弟も、かぶれ出したにちがいない。
何があるんだ。論語や、四書の中に。
兄のおれも、勧学院では一通りは講義をうけたものだが、こいつは、主すじに都合がよく、われら地下人や、雑人輩には、うだつのあがらない証文を自分で自分に入れてしまうような学問と見たから、いつも、聴いている顔して、居眠っていたもんだ。
いったい、孔子なんて男に、人間やこの世の中を規定する、そんなえらい資格がどうしてあるのだ。孔子自体が、何を楽しんで、どれほど身がおさまっていたというのか。あのころの魯だの斉だのという国には、血をながす喧嘩もやみ、泥棒も消え、奴隷もいず、うそつきもいなくなったのなら、はなしは分かる。だが、その孔子様からして、盗跖という大盗と、議論をたたかわし、偽君子の皮をヒン剥かれて、説法に出向いたやつがあべこべに、まる裸の人間をさらけ出して、二の句もなく、逃げ帰っているではないか。
ばかな頭を疲らすなよ。弟。
この、いい月の晩に――だ。
気に食わないことが、もうひとつある。大内裏の紫宸殿には、聖賢の御障子があるそうだな。聖賢の間にすわったら、聖人賢者のように、頭がよくなるというお禁厭なのか、何なのだ。