Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
しん・へいけものがたり
新・平家物語
吉川 英治
Lesen Sie 新・平家物語 (しん・へいけものがたり) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 123.012 Zeichen · 245 Bildschirme
宿借の女御
宿借の女御
公卿の邸宅には、どこにもいるが、ここの館にもたくさんな“ヘイライさん”が飼われていた。
ヘイライとは、雑色(下僕・小者)たちが被っている平折の粗末な烏帽子をいうのである。“平礼”と文字では書く。
烏帽子は、階級の標だった。商も農も、諸職も、六位七位の布衣たちも、日常、頭に載っけている。雪隠の中でも載せている。
それは、位階官職の高い者には、まことに都合のよいものだった。頭脳の中身は粗末でも、被り物が、その人間の優位を規定し、上流の生活を、生まれながらに保証していてくれるのである。
だから、ヘイライ階級には、ありがたくもないし、被りたくない物にちがいない。しかし、飼われたる奴隷であるかれらは、主人の館では、除るわけにゆかなかった。
ただ、外へでも出るときは、たちまちそれを、ふところにねじこんで歩いたりはしていた。でも、街の者は、かれらが着ている白い木綿の制服や、その物ごしでも、すぐ、
(あれは、ヘイライさんや)
と、見抜いてしまう。それは分かりきっていながらも、かれらは、街へ出ると、自分の被り物を、邪慳にした。そこでなお、意地わるく、時の人びとは、かれらをよぶに、雑色だの、中間だの、小舎人などといい分ける代りに、ヘイライさんと、総称していた。