Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
しん・へいけものがたり
新・平家物語
吉川 英治
Lesen Sie 新・平家物語 (しん・へいけものがたり) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 123.012 Zeichen · 245 Bildschirme
六波羅開地
六波羅開地
五条の大橋は、まだ、新しかった。
数年前から、覚誉という一法師が、よくつじに立っていた。覚誉法師は衆の公共心に訴えて、零細な浄財を乞い、ある日は、自分もともに、石をかつぎ、土を盛り、夜は河原の小屋に寝て、やっと近年、竣工を見たものであるという。
『世には、寺院と寺院で、焼き打ちし合っている山法師もあれば、また、こういう奇特な街の御僧もある――』と、人びとはいった。
五条に橋が架かってから、庶民の生活図が、南へ伸びた。またたくまに、清水寺のふもとや、音羽川、鳥辺野あたりまで、人家が、ながめられて来た。
それまでは、生うるがままな雑草と、雑木の原だった六波羅にも、大きな武者屋敷が、建ちかかっていた。
『どなたの、お住居であろ?』
と、通る人は、よくいったが、だれも、ここに住む者を、まだ知らない。
久安元年の、夏の初め。まだ、壁塗りもよく仕上がらないうちに、大勢の家人、家族をひきつれて、これへ移って来た主人を見ると、それは、近ごろ、中務大輔に昇進した平太清盛と、その妻子であった。
『どうだ。……水薬師の古館とは、くらべものになるまいが』
清盛は、妻へ、誇った。