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Japanische Klassiker mit Furigana

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しん・へいけものがたり

新・平家物語

吉川 英治

Lesen Sie 新・平家物語 (しん・へいけものがたり) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 123.012 Zeichen · 245 Bildschirme

Aozora Bunko

『な、なんでしょう、兄者人。まさか、合戦ではないでしょうが』

『わからぬぞ。いつ、何があるか』

『また、叡山か、興福寺の大衆が、強訴にでも、押しよせて来たのでしょうか』

清盛は、具足櫃から、胴、すね当、草摺など、つかみ出しては、手ばやく、身に着けながら、

『父上のお居間へ行って上げい。おれたちの母はいない父上。おまえでも行って、お手つだいしてあげろ』

『いえ。父上のそばへは、木工助が行っています。兄者人、わたくしも、具足を着けましょうか』

『おまえなど……』と、清盛は、思わず愍笑した。

『留守でもしておれ。小さい、弟たちを、泣かさぬように』

屋のまわりは、降るような物音だ。郎党たちが、厩から馬をひき出し、土倉から武器、松明など取り出して、しかりあい、わめきあいしながら、気負いを作しているらしい。

揃い庭へ出た。武家にはどこにもある空地である。忠盛はもう馬上にあった。清盛の参加をみとめると、すぐ木工助家貞に門をひらかせ、先に立った。清盛の馬もつづく。家貞、家長の父子、徒歩の郎党十六、七人も、長刀を小わきに、おくれじと、馳けつづいた。

みちみち、火の手を物見させたが、街に異変はない。