Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
しん・へいけものがたり
新・平家物語
吉川 英治
Lesen Sie 新・平家物語 (しん・へいけものがたり) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 123.012 Zeichen · 245 Bildschirme
網代廂、花うるしのはこ、轅、車の輪など、金銀のちりばめに、茜しかけた夕陽が映えて、まばゆい女車である。
しかし、内親王のお用いになる糸毛ぐるまでもなし、従者も見えず、ただひとりの牛飼童が、笹を持って、秋の蠅を追いつつ来るに過ぎないので、かれは、杉の木陰にたたずみ、眼のまえを、よぎる牛車の内を、無遠慮に見上げた。
『……あれ?』
たしかに上で、声が聞こえた。簾を巻き、牛を止めさせた。――と、思いがけない人が、外をのぞいて、平太と呼んだ。
『あ。母上……』無意識に、轅の横へとびついて『いま、上西門院を、お出ましになったのは、この車ですか。母上でしたか』
『なにを、いきなりそのように、急きこんで、たずねるのです。いつ会っても、そなたはわたくしへ、なつかしそうな顔もしない』
泰子は、五衣の袿に、いつもながら、艶やかに化粧していた。家で朝夕に見ていたときより、加茂で会ったときより、見るたびに、若くなり、見よがしに、着飾っている。
『つい、そこの御門側で、忠正どのが、あいさつに、待ちもうけていやったが、そなたのことは、何も、いいもしなかった。そなたは、忠正どのと、一つにいたのではないのか』