Japanische Klassiker mit Furigana
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しん・へいけものがたり
新・平家物語
吉川 英治
Lesen Sie 新・平家物語 (しん・へいけものがたり) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 123.012 Zeichen · 245 Bildschirme
こちらも、武者所の名と実力を示して行くべきである。
清盛は、そういって、
『みな、来いっ。義清に加勢して、義清の郎党を、取り返しに行こうっ。六条判官へ掛け合いに』
と、同意を求めた。
『おうっ――』と、応えた幾人かがある。『おもしろい』と、長柄を押っとる喧嘩ずきもいた。わらわらと、外へ出そろった。いうところの、為義方の感情は、実は、こっちにもある感情なのだ。かれらの血を駆りたてる素地は日ごろにもできている。同勢二十人余、義清をかこんで、行こうぞ、行こうぞ、と押し声を作った。
『ま。待ってくれい。待ち給え』
義清は、うごかない。かえって、さえぎるように、両手をひろげ――『よしないことで、騒ぎ立ては大人気ない。わけて、御幸のお道すがら、おそれ多いことでもある。禍を起こしたのは、自分の郎従、主人ひとりで掛け合いはこと足りよう。おのおのには供奉のお役目こそ大事なれ。ただ知らぬ気に装うておわせ』
と、かえって人びとの妄動をたしなめた。
そして、清盛の躍起も、大勢の気負いも、迷惑として振り切るように、かれは、小童ひとりに松明を振らせ、ただ一騎で、雨のやみへ馳せ消えた。