Japanische Klassiker mit Furigana
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しん・へいけものがたり
新・平家物語
吉川 英治
Lesen Sie 新・平家物語 (しん・へいけものがたり) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 123.012 Zeichen · 245 Bildschirme
『あったかいのだ。木工爺よ。おまえの、体だけが、おれには、あったかい。――おれは、ひとりぼっちの寒鴉だ。……母は、あんなだし、父上も、ちがっていた。おれは、平ノ忠盛の、ほんとの子ではなかったそうだ』
『げっ。和子様。あなたは、そ、そんなことを、だれに、お聞きになりましたぞ』
『おれは、初めて、父の秘密を知った。……遠藤武者盛遠から、今夜、初めて、聞かされた』
『あ。……あの、盛遠が』
『盛遠が、たしかにいったぞ。聞けよ、伊勢ノ平太、わぬしの、真の父は、スガ目殿ではない。さきの白河上皇こそ、生みの父御だ。天皇の子とも生まれながら、すき腹かかえて、その布直垂と切れ草履はなんのざまだ……と』
『おっ、仰っしゃいますな。そのことは』
その口を塞ごうとでもするように、木工助は、手を振りうごかした。清盛は、じじの手くびを、顔の前から捻じ退けて、
『まだある。それだけではない、じじ、おまえは、知っているはずだぞ。なぜ、きょうまでおれに秘していたか』
はったと、清盛は、大きな眼で睨めつけた。腕くびの痛さと、その眼光に、木工助は、がくがく、骨からふるえが出た。――が、かれもまた、必死を、声にしぼり出した。