Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
しん・へいけものがたり
新・平家物語
吉川 英治
Lesen Sie 新・平家物語 (しん・へいけものがたり) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 123.012 Zeichen · 245 Bildschirme
(まず一、二年は、あとに残したわしの妻や幼な子を、見とどけてくれい。そのうえならば――)
と、容易には、許しもしない。――というよりは、源五兵衛の道心を、どの程度か、見ているのかも、しれなかった。
『お。……うかと、忘れておりましたが』と、源五兵衛は、やがて、一通の書面を、西行の前においた。
『待賢門院様の堀川のお局から、ついでのおり、お手渡しして給もれとて、使いの者が、お持ちになったのでございまする』
女の達筆は、読みにくい。
消息やら、歌やらが、こまごま葦手風に、書きちらしてある。西行は、炉の火に、かざしては、読み解くようなまゆをしていた。
――が、読みおわったあとは、なにか、思い入るように、榾の炎を、見つめたまま、いつまでも、源五兵衛と、黙りあっていた。
黙っていることが、労れになったり、空虚になるような、ふたりでもない。
待賢門院の女房のうちには、かれの、歌の友が多い。
堀川ノ局、二位ノ局、帥の局、中納言ノ局、紀伊ノ局――など、幾多の女性が、こんどの西行の発心には、みな、歌を寄せたり、消息をよこしたりしていた。
堀川ノ局の消息も、また、その一つといってよい。