Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

しん・へいけものがたり

新・平家物語

吉川 英治

Lesen Sie 新・平家物語 (しん・へいけものがたり) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 123.012 Zeichen · 245 Bildschirme

Aozora Bunko

世上つたえられてきた油坊主の怪談が、その程度に、訂正されたところで、ことの真相には、何を加えるものではあるまい。――その年、忠盛へ嫁して、忠盛のやしきで、祇園女御が産みおとした男の子が、真実――たれの子なのか? ――という究極のなぞには、何のかぎともならないからだ。

帰するところ、その祇園女御の腹から出たことだけはたしかな――子の清盛が、いま、やっ起に、知ろうとしているかんじんな焦点は、どう木工助を責めても、かれの口から解かれ出るすべもなく、かれもまた、主家の血液の秘密にたいし、それ以上な臆測を加えることはできなかった。この問題の秘裏に立ち入って、それをなぞと考えてみるだけでも、郎党たる身にとっては、主家への反逆のように思えて、そらおそろしいことだったにはちがいない。

やっと、やや泣きじゃくりを収めた疳持の子のように、やがて清盛は、じじの木工助にかい抱かれて、やしきの内の暗い寝屋へはいっていた。

『さ。よう、お寝みなされませ。大殿のてまえは、朝となって、木工助が、よいようにしておきまするで。……お案じのう』

まるで、わが子へするように、木工助は、木まくらをそこへおいたり、衾を被せて、そしてまた、清盛の寝顔のそばへ、ひざまずいた。