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Japanische Klassiker mit Furigana

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しん・へいけものがたり

新・平家物語

吉川 英治

Lesen Sie 新・平家物語 (しん・へいけものがたり) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 123.012 Zeichen · 245 Bildschirme

Aozora Bunko

このずぼら息子のうちに、親も気づかずにきた一性格があったかと、いま知った思いがしたのである。

『いや、源ノ渡なら、きっと、それくらいな熱望はもつだろう。院の思し召しのほど、いかがあるや、はかられぬが、伺ってみてやろう。おまえに、望みがなくば』

多少、落胆の色はあったが、忠盛は、そういって、郎党たちに、飼糧、手入れの注意など与え、やがて奥の――いまは喧嘩を売ってくる妻もない独り居の灯の下へ――幼い子らをよび寄せて、戯れていた。

数日の後である。院のおゆるしを得た旨を、忠盛は、源ノ渡へ、じかに伝えた。

父のいいつけで、早めに、やしきへ帰った清盛は、青毛の若駒を厩から出して、九条菖蒲小路の渡のやしきまで、ひいて行った。

『見事な、若駒よの。院のであろか、内裏のであろか』

道ゆく人もふり返ったが、清盛は、厄落しにでも行くような気もちなのだ。

渡は、待ちかねていた。みずから、厩も掃除していて、たいへんな歓びかただ。かくもよろこぶかれを、見たこともないほどだった。

『はや、たそがれ。あいにく、妻が出ているが、まあ、飯でも食って行ってくれ。祝いだ。神酒も、一杯』

灯ともるまで、馳走になって、清盛は、指のさきまで、酒気に染まった。