Japanische Klassiker mit Furigana
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しん・へいけものがたり
新・平家物語
吉川 英治
Lesen Sie 新・平家物語 (しん・へいけものがたり) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 123.012 Zeichen · 245 Bildschirme
ところで。――ここでまた、かの祇園女御を、平ノ忠盛へ与えられた白河上皇(後、法皇)をひきあいに出さねばならないことになる。
藤原璋子は、幼いころから、白河法皇に養われていた。法皇が、璋子を可愛がられたことは、ひと通りでない。その親寵狎愛の様は、たれの目にも、ただこの美少女を可憐とするものとは見えなかった。わけて、そのみちにかけては、なみならぬ好色のお聞こえある法皇のことなので、院中かくれもなき風流譚となっていたのである。
しかるに、永久五年、璋子は、鳥羽天皇の女御となり、ひいて元永元年、中宮に立たれたが、その後も、法皇は、おすきをあらためるふうがなく、鳥羽のおん目をかすめては、璋子を寵愛されていた。ために、おりおり、物議のたねにもなり、鳥羽天皇のお心も、ついぞ解けたことはなかったのである。やがて、璋子は、皇太子顕仁を生んだが、御産殿の几帳からもれた呱々の声にも、天皇のおんまゆには何の御表情もなかったという。
(顕仁は、わが子ではない。白河の御子じゃろ)
鳥羽は、御在位中にも、後、御位をゆずって、院へ移られてからも、公然と、左右にいって、はばからなかった。