Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

しん・へいけものがたり

新・平家物語

吉川 英治

Lesen Sie 新・平家物語 (しん・へいけものがたり) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 123.012 Zeichen · 245 Bildschirme

Aozora Bunko

――ゆえに、かれらの知る勝負ごととは、すべて、遊戯のほかのものではない。敗者の痛涙も、勝者の狂喜も、ひとしく、一場の泡沫と見、あれも可笑し、これも可笑し、なべて酒杯のうちに溶いて飲まんかな人生。楽しまずしてなんの人生やある――というのである。そしてつねにかならず、自己を傍観者の桟敷におくことは忘れない。

そういう意味だけの一日。きょうの五月五日も、みな、生きの身の歓をつくして暮れ――ほどなく加茂の葉桜のうえに、夕月を見るころ、主上の鳳輦も、上皇の御車も、れきろくと、群臣の車馬をしたがえて、還御となった。

忠盛は、晩く、鳥羽院を退がった。

いつも、帰宅するころには、やしきの郎党、木工助家貞が、かならず馬をひいて、迎えに来ているのが常なので、武者所の供待をのぞくと、清盛が、駒をひかえて、たたずんでいた。

『木工助は?』と、たずねると、

『参っておりましたが、こよいは、平太がお口輪をとって帰るからと――先に、やしきへ、帰しました』と、清盛は、答えながら、父の前へ、あぶみを、すすめた。

『ああそうか。おまえも疲れたろうに、待っていてくれたのか』

忠盛は、かろく馬上の人となった。