Japanische Klassiker mit Furigana
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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Lesen Sie 新・水滸伝 (しん・すいこでん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 684.899 Zeichen · 1374 Bildschirme
一刻おいて、この二頭目もまた、大勢の手下をつれて、史家村へ降って行った。行くほどに夜は更けてゆき、やがて黒い夜霧の底に、ぼやっと赤い火光が見えだした。史家村の方角に間違いない。楊春は馬をとめ、後ろの朱武の影へよびかけた。
「やってるぞ。あの火を見ろ。陳達はもう九紋龍の家へ乗りつけている。兄貴の難を見捨ててはおけまい。急ごうぜ」
ところが、まだ麓へも出ないうちに、陳達の小頭や手下どもが、さんざんな態で逃げ走ってきた。
「――どうした?」と訊けば、村には備えがあり、警板や銅鑼を合図に、たちまち、九紋龍の家には小作人や荘戸(村人)の若者輩が、まるでよく訓練された兵隊のように集まってきて、たちまち守りを固めてしまったという。
しかし陳達の指揮下にある賊も、「なんの百姓輩が」と、門へ向って馬群をおめかせ、また脅しの早鉦だの銅鑼を打ち鳴らした。ところが、どうして相手は手強い。矢かぜや投げ火の下で、やがて大乱戦となっていった。そのうち九紋龍自身も打ッて出てきた。そして味方の陳達と一騎打ちになったので、互いに火を降らすことかと思っていると、呆ッ気なく、陳達は長鎗を叩き落され、苦もなく九紋龍のために手捕りにされてしまったというのである。