Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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はたもとたいくつおとこ

旗本退屈男

佐々木 味津三

Lesen Sie 旗本退屈男 (はたもとたいくつおとこ) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 240.656 Zeichen · 478 Bildschirme

Aozora Bunko

苦しゅうない。主水之介も人夫用意致しておるゆえ、そのままおいて行けい」

「な、な、何でござります! 差上げるべきいわれござりませぬ。こ、これはそのような――」

「そのような、何じゃと言うぞ」

「怪しの品ではござりませぬ。こ、これは、その、こ、これは、その――」

「何品じゃ!」

「ふ、ふ、古道具でござります。只今お主侯様から、もう不用じゃ、払い下げいとの御諚がござりましたゆえ、出入りの古道具屋へ売払いに参るところでござります。御退き下されませい」

「ならばなおさらけっこう。身共、近頃殊のほか古道具類が好きになってな、丁度幸いじゃ。買い取ってつかわそうぞ。値段は何程でも構わぬ。いか程じゃ」

「………」

「早いがよいわッ。売るもひと値。買うもひと値。あとで品物に不足は言わぬ! 言うてみい! 何程じゃ」

「二、二千両程の品にござります」

「たった二千金か! 即金じゃ。ほら! 手を出せい!」

声もろ共に、ギラリ抜いたのは相模守の一刀です。敵う筈がない! たじたじとあとに引きさがったのを、

「わはは。どうじゃ! いらぬか。諸羽流正眼くずしの一刀が只の二千金とは安いぞ。安いぞ。ウフフ。