Japanische Klassiker mit Furigana
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はたもとたいくつおとこ
旗本退屈男
佐々木 味津三
Lesen Sie 旗本退屈男 (はたもとたいくつおとこ) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 240.656 Zeichen · 478 Bildschirme
それよりいい話があるんだ。おまえの兄さんに会ったぜ」
「まあ! いつ、どこで?」
脅えていた小芳の顔が、急にはればれと晴れ渡りました。
「兄さんなら、下総にいらっしゃる筈、嘘でありんしょう」
「嘘なもんか? 用を足して、来たついでだからと、観音さまにお詣りしていたら、ぽんと肩を叩いて、篠原の先生、という声がするじゃないかよ。ひょいとみたら田舎の兄さんさ。よいところじゃ、小芳も会いたがっておりますから、一緒にどうでござんすと誘ったが、ぜひにも今夜足さなくちゃならない用が馬道とかにあるから、今は行かれない、その代りあしたの朝早く行こうと言うからね。あすならなお幸い、小芳とふたりで森田座へ行くことになっているから、じゃ御一緒にあんたも芝居見はどうでござんすと言ったら大よろこびさ。朝早く起きぬけにこっちへやって来ると言ったよ」
「でも、不思議でござんすな。江戸へ来るなら来るとお便り位さきによこしておきそうなものなのに、忙しいお身体の兄さんがまた、何しに来たんでござんしょう」
「何の用だか知らないが、今朝、早立ちしたと言ってたよ。それから、こんなことも言ってたぜ。小芳め、さぞかし尻に敷くことでござんしょうな、とね。