Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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はたもとたいくつおとこ

旗本退屈男

佐々木 味津三

Lesen Sie 旗本退屈男 (はたもとたいくつおとこ) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 240.656 Zeichen · 478 Bildschirme

Aozora Bunko

われ等も必死に助勢つかまつるぞ! ――早う、早う! かかれッ。かかれッ。お前達もかかれッ」

けしかける白覆面の声にサッと黒い人山が動いた。刹那です! かかえていた槍の一本を、ぐいと突いて、ぐいと引いてわが手に奪った退屈男、斜めに体をとばして、側面へぬけるや、きっと構えて大喝一声――。

「推参者めッ。主水之介と存じながら、この三カ月傷に鼠泣きさせたいかッ」

その神速! その凛烈の気合! まこと大江戸名代旗本退屈男の威風が燃えるばかりです。黒い人山がぎょッと立ちすくんだ。――途端でした。闇の向うから、バタバタという足音が、はげしいいきづかいとともに近づいたと思うと、

「ま、間にあったか!」

まぎれもない下総の十五郎でした。

つづいて京弥――。

つづいて菊路――。

「兄上!」

「殿ッ」

「ご、御前! ご、ご無事でごぜえやしたか! よかった! よかった! よよッ。そっちにもいやがるな。そ、そのお濠端の方は知らねえが、そ、そこにいるその白覆面は――」

「腰本治右衛門であろう」

白覆面がピクリと動きました。

「お見通し! そうなんだ。じ、じつあ、京弥さまから、御前が不意の御呼び出しで御登城なすったお知らせいただいたんで、どうせこりゃ腰本の狒狒侍の小細工、この上どんなたくらみしやがるかと屋敷の前へ張って容子をさぐっていたら、お城の