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Japanische Klassiker mit Furigana

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にちりん

日輪・春は馬車に乗って 他八篇

横光 利一

Lesen Sie 日輪・春は馬車に乗って 他八篇 (にちりん) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 86.787 Zeichen · 177 Bildschirme

Aozora Bunko

二十六

」

若者は馳けて行き、馳けて帰った。

「不弥の女は耶馬台にいる。」

長羅はの水を飲み干した。

「爾は見たか。」

「我は見た、我は耶馬台の宮へ忍び入った。」

「不弥の女は何処にいた。」

「不弥の女を我は見た。不弥の女は耶馬台の宮の王妃になった。」

長羅は激怒に圧伏されたかのように、ただ黙って慄えながら床の上の剣を指差していた。

「王子よ、耶馬台の王は戦いの準備をなした。」

「剣を拾え。」

若者は剣を長羅に与えると再びいった。

「王子よ、耶馬台の王は、奴国の宮を攻めるであろう。」

「耶馬台を攻めよ。兵を集めよ。我は爾を宿禰にする。」

若者は喜びに眉毛を吊り上げて黙っていた。

「不弥の女を奪え。耶馬台を攻めよ。兵を集めよ。」

若者はを蹴って部屋の外へ馳け出した。間もなく、法螺が神庫の前で高く鳴った。それに応じて、銅鑼が宮の方々から鳴り出した。

二十六

耶馬台の宮では、反絵の狂暴はその度を越えて募って来た。それにひきかえ、兵士たちの間では、卑弥呼を尊崇する熱度が戦いの準備の整って行くに従って高まって来た。何ぜなら、いまだかつて何者も制御し得なかった反絵の狂暴を、ただ一睨の視線の下に圧伏さし得た者は、不弥の女であったから。