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Japanische Klassiker mit Furigana

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やなぎばしものがたり

柳橋物語

山本 周五郎

Lesen Sie 柳橋物語 (やなぎばしものがたり) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 104.300 Zeichen · 202 Bildschirme

Aozora Bunko

このあいだにかなり盃を重ねて酔ったのだろう、源六はふと調子を改めてこう云いだした。

「なあ幸さん、こんな時に云いだすことじゃあないが、いつか頭梁からおせんのことに就いて話があったとき、わけを云って断わったのはおまえさんもたぶん知っているだろう、無いまえならいいが、あんなことがあったあとではお互いに気まずくっていけない、済まないがこれからはあまり来て呉れないようにたのみたいんだがな」

「悲しいことを聞くなあ」幸太も酔っていたらしいが、ぎくっとしたようすで坐り直した、「……断わられたのは知っているよ、まだおせんちゃんが若すぎるということ、爺さんがおせんちゃんにかかる積りだからということ、ああたしかに聞いているよ、けれども、それは、……それは、それとこれとは違うんだ」

「どう違うと云うんだね」

「おれは十三で杉田屋へ来た、おせんちゃんとはそのときからの馴染なんだ、爺さんとだって、今さらのつきあいじゃあない、なにも縁談が纏まらなかったからって、つきあいまで断わるということはないと思う、そいつは、あんまりだぜ爺さん」

「つきあいを断わるなんということじゃないのさ、なにしろこっちはこの老ぼれと娘だけの暮しだ、そこへ若頭梁がしげしげ来るというのは人眼につくし、ひょんな噂でも立つと杉田屋さんへおれが申しわけがないからな」