Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
橋の上の女 ――銭形平次傑作選2
野村 胡堂
Lesen Sie 橋の上の女 ――銭形平次傑作選2 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.573 Zeichen · 178 Bildschirme
大の男が泣きながら引かれて行くのを、誰も庇ってやらないばかりでなく、笑って見ているじゃありませんか。私は口惜しいから、甲子松に喰ってかかると、お嬢さんがすっかり喜んで、家中は、薄情者揃いだけれど、お前一人が頼もしい、そこを見込んで一生のお願いがある。浅草向柳原とやらの、八五郎親分のところへ連れて行ってくれ、あの人より外に、与茂さんを助ける人はないと、――あれ、あの通り、駕籠の中でも手を合せているじゃありませんか」
覗くと、路地の中、灯りの届くか届かないかというところに据えた町駕籠の垂れをあげて、豊かな頬と、黒い髪と、そう言えばそうも見える、丸い顎の下に合せた、か細い白い手が匂うのです。
「ヘッヘッ、それほどでもねえが」
拝まれて八五郎は少し照れた様子です。
「向柳原でさんざん尋ねると、叔母さんという方から、明神下の平次親分のところへ行っていると聞いて来ました。聴けば、八五郎親分はお使い姫見たいなもので、捕物の御本尊は銭形の親分なんですってね。――何が幸せになるかわからないものねえ、私も八五郎親分では、さいしょから頼りないと思ったけれど」
お六の舌はよく動きます。