Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
橋の上の女 ――銭形平次傑作選2
野村 胡堂
Lesen Sie 橋の上の女 ――銭形平次傑作選2 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.573 Zeichen · 178 Bildschirme
「まア、あれを見ろ」
暗い廊下に立って、平次は唐紙の隙間を指さしました。中からは噛み殺したような激しい嗚咽の声が聴えます。
「?」
「まだわからないのかお六。――お前は、昨夜、臆病与茂吉と逢引していたと言って、あの男を助けた。そいつは結構な功徳だが、見るが宜い、――それを聴いて、あの生一本の娘――お嬢さんのお絹さんは、死のうとして、危うく母親にとめられたのだ」
「――――」
「与茂吉は助かったが、十八になったばかりの、あの娘を殺しちゃ、お前は気がすむまい。――ここで、みんな正直のことを言ってしまってはどうだ」
平次は暗い廊下に立ったまま、お六の円い肩を叩くのです。
「どう言えば宜いんでしょう、銭形の親分」
「ありのままで宜い。――お前は序に自分の命を助けたさに、与茂吉とひと晩いっしょにいたと嘘をついて、与茂吉の命を助けた」
「――――」
「俺は、内儀と勘三郎から、皆んな聴いたよ。――賢こい中年女は、何んにも知らないような顔をしているが、実は何から何まで知っているものだ。――主人の山三郎さんは、物の迷いで、お前という女に手を出した。あんなに立派な内儀はあるが、内儀は綺麗過ぎ、賢こ過ぎ、それに身体も丈夫でなく、山三郎の気に入ってばかりはいなかった。