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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

橋の上の女 ――銭形平次傑作選2

野村 胡堂

Lesen Sie 橋の上の女 ――銭形平次傑作選2 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.573 Zeichen · 178 Bildschirme

Aozora Bunko

「何を困っているんだ。財布でも落したというのか」

銭形平次は相変らずの不精煙草です。

「財布なんか落したって驚きゃしませんよ。憚りながら百も入っちゃいないんで」

「呆れた野郎だ、――それともあの娘に口説かれたとでもいうのか」

「それなら、願ったり叶ったりで――実はね親分、肝心の娘が行方不知になってしまったんです」

「何時のことだ、それは?」

平次もさすがに驚きました。事件は決して単純ではあるまいと思いましたが、あの娘が姿を隠したとあっては容易のことではありません。

「昨夜ですよ。お萩の叔母のお紺という、出戻りの四十女が青くなって飛んで来ましたよ」

「お前はどこにいたんだ」

「八幡前の専次の家に泊っていると、亥刻半(十一時)過ぎに、気違いのように戸を叩くじゃありませんか。――姪のお萩が久し振りに町内の丁子湯へ行って、それっきり帰らず、気を揉んで丁子湯へ行ってみると、お萩はザッと流して、間もなく帰ったというんだそうです。それから二た刻も経っているのに、お萩はどこへ行ったかわからず、死んだ兄の佐太郎の弟子で、佐太郎の家にゴロゴロしている久治と二人、心当りを精いっぱいに捜したが、それっきり行方不知になてしまったというんです」