Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ぜにがたへいじとりものひかえ
橋の上の女 ――銭形平次傑作選2
野村 胡堂
Lesen Sie 橋の上の女 ――銭形平次傑作選2 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.573 Zeichen · 178 Bildschirme
餅は餅屋だ。あの男なら、死んだ棟梁の拵えた隠し戸棚かなんかを開けるに違げえねえ」
「よしッ、見ていろ」
八五郎は棟梁の家へ飛びます。
久治をつれて来て、土蔵の中へはいりましたが、その中に拵えた隠し戸棚を見つけることは容易でなく、それを開けるのにまた久治と平次は智恵を傾けました。
ざっと一刻ばかり。ようやく開けたのは、土蔵の一方の壁に造った秘密の戸棚で、その中から出てきたのは、夥しい抜け荷、密輸入された物資――だったのです。
珠玉、細工物、ギャーマン、羅紗、それに南蛮物の生薬の数々。その中には万兵衛が呑んだと思われる吐根も、佐太郎を殺したと思われる砒石も交っていたことはいうまでもありません。
この隠退蔵物資の山の奥に、半死半生の姿で、美しいお萩は隠されておりました。餓と苛責とに疲れ果てて、もはや助けを呼ぶ力もなく、わずかに顔を挙げて夢心地に、灯をかざしている救いの手の、誰彼の顔を眺めるのでした。
「お萩さん、助かった。銭形の親分のお蔭だ」
久治は飛込んで処女の弱り果てた身体を抱き上げたのです。二人は人の見る眼も忘れて濡れた頬を寄せます。
× ×