Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
橋の上の女 ――銭形平次傑作選2
野村 胡堂
Lesen Sie 橋の上の女 ――銭形平次傑作選2 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.573 Zeichen · 178 Bildschirme
小左衛門は揉み手をしております。
「ちょいと見せて貰おうか」
「ヘエ、ヘエ、どうぞ」
小左衛門と女房のお仲は、二人を薄暗くて寒そうな、舞台裏の楽屋に案内しました。
この辺の見世物軽業の小屋は、粗末なものではあるにしても、半永久的の建物で、裏に廻ると怪しげながら住居になっており、余程の良い芸人でなければ、別に家を持たずに楽屋裏のアパートに、ゴチャゴチャと合宿してだらしのない生活をしているのでした。
小左衛門の一座もそれで、座頭の小左衛門は別に住居を持っておりますが、一座の者は全部合宿で、その貧しい汚ない楽屋裏に、当のお夢は住んでおりました。
「どうだえ、お夢。お前が焦れている銭形の親分をつれて来たが――」
八五郎はその枕許に坐り込んで、一と目千両のお夢に話しかけます。
「あ、銭形の親分さん」
お夢はあわてて飛び起きようとしました。さすがに良い身だしなみで、少しばかり鬢のほつれはありますが、床の上の姿には何んの破綻もありません。
「動いちゃいけない。その儘で宜いよ」
「ハイ」
一と目千両と言われ、その美しい顔を売物にして居ただけに、お夢の綺麗さは全く抜群でした。